a)血糖値とHbA1cのチェック→どちらも当日に結果が判定できます。HbA1cは血糖値の1~2か月の平均値を示しています。
b)経口ブドウ糖負荷試験→ブドウ糖入りの炭酸飲料を飲んで頂き、血糖値の上昇の推移とご自身の膵臓から分泌されるインスリンの分泌反応を評価します。
a)グルカゴン負荷試験→膵臓のインスリン分泌細胞を刺激する検査です。刺激に反応していれば(膵臓の働きが残っていれば)、今後も注射にならないまたは注射をやめる(回数を減らせる)可能性があります。
a)持続血糖モニタリング→2週間分の血糖値の推移を連続的に記録できます。自覚できていない血糖値の上昇や低下を把握することができるため、適切な薬剤の選択を行うことが可能です。
糖尿病とは、細胞にブドウ糖をうまく取り込めない病気です。
私たちは、活動に必要なエネルギーを食物に含まれる糖質から得ています。
糖質は、体内ではブドウ糖として吸収され血液によって各器官の細胞に取り込まれてエネルギーとして利用されます。
このブドウ糖が細胞に取り込まれるとき、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの助けを借りています。
インスリンの分泌が悪かったり働きが低下すると、血液中のブドウ糖(血糖)がうまく細胞に取り込まれず、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が異常に高くなってしまいます。これが糖尿病です。
糖尿病には、何らかの原因でインスリンを作る膵臓のβ細胞が破壊されるために発症する「一型糖尿病」と、
肥満や過食、運動不足などが原因でインスリンの作用が低下することやインスリン分泌能が低下することにより発症する「二型糖尿病」があります。
日本では、糖尿病患者さんの95%が2型糖尿病です。
糖尿病を治療せず放置しておくと大変危険です。全身の血管や神経に障害が起きて様々な合併症を引き起こします。
どの合併症も進行すると日常生活に大きな影響を与えますが、早期から治療を行えば合併症を防いだり進行を食い止めることが可能です。
なにか不安があれば主治医に相談し、前向きに治療を行っていきましょう。
当院では薬物療法とともに、食事・運動療法の指導を積極的に行っています。
根拠となる検査データ(血液検査、画像検査等)を提示し、無理なく続けられるようライフスタイルに合わせた治療を提案します。「インスリンは一生打ち続けないといけないの?」「なぜ痩せないといけないの?」内容を理解していただくことで検査結果にも手応えを感じ、治療継続のモチベーションにも繋がると考えています。治療の方向性は様々で、個々により良い治療法でサポート致します。
・運動療法
運動は、血液中のブドウ糖を消費し血糖値を下げる効果があります。食後の運動は急激な血糖の上昇を抑え食後高血糖の改善に繋がります。また運動を継続することで筋肉がつき、基礎代謝が高まります。インスリンが働きやすくなるため血糖値が上がりにくく、インスリン抵抗性の改善になります。
・食事療法
食事療法では患者様の体・活動量にあったエネルギー量の食事をバランスよく摂ることが大切です。食事で摂り入れたブドウ糖の量を制限することで、膵臓への負担を軽くし機能を回復させます。必要エネルギーを算出し、範囲内で栄養素をバランスよく摂れる食習慣を身につけます。
・薬物療法
食事療法や運動療法でも改善が難しい場合や、それだけでは血糖コントロールが不十分な場合に薬物療法を行います。症状や糖尿病のタイプ、検査データなどを正確にみた上で、使用する薬を決めていきます。薬物療法を行う際も食事療法と運動療法は継続します。
日頃の健康状態を知っていて、気軽に相談できるかかりつけ医がいることで早期発見とより効果的な症状のコントロールを行うことが可能になります。当院では糖尿病のかかりつけ医として、検査結果や治療に関する疑問を解決し、より良いコントロールが行えるようサポートをして参ります。
・インスリン治療について
糖尿病患者様の中で、インスリン注射への抵抗がある方は少なくありません。また「一度インスリンを打ったら辞められないのではないか?」と不安な方もいらっしゃいます。しかしインスリンは卒業することができます。適切な検査に医師との協力、運動療法・食事療法・薬物療法による治療を継続し状態がよくなれば、必要がなくなります。前向きに治療に取り組むことができるようサポート致します。インスリン注射を辞めたい方、糖尿病治療を諦めたくない方は是非一度ご相談ください。
糖尿病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、たまたま受けた健康診断で判明するといったケースもあります。そのため健康診断は、糖尿病を見つける一番身近な方法です。
早期発見をし、血糖コントロール行うことで糖尿病の合併症や動脈硬化を予防ができます。糖尿病の予備群や、メタボリックシンドロームについても、早めに食事療法や運動療法を行えば、糖尿病の予防にも繋がります。健康診断で数値異常が出た場合、自覚症状がないからと放置せずできる限り早い受診をしましょう。
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